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こんなにあるの!?中国からの輸入で気を付けなければならないこと! ~販売許可及び、工場・第三者機関での検査~
商品を輸入、そして販売するためには適切な試験を行い、それに応じた販売許可を得なければいけないケースがあります。
ですが、どれが該当の商品なのか、販売するためにどんなことをしなければならないのかわからない。。。
そんな方のために前回の「輸入時に気を付けること」に引き続き、今回は販売を行うために必要な許可や試験についてまとめました。
販売許可とはどんなものがある?
販売許可とは
販売許可とは読んで字のごとく、”販売”をすることを”許可”されるということです。
販売許可とはいっても、
〇 通信販売酒類小売業免許
〇 食品衛生法に基づく営業許可
〇 古物商許可
など会社や店舗として許可をもらうもの
〇 薬機法に基づく製造許可
〇 食品衛生法に基づく製造許可
〇 電波法に基づく技術適合証明
といった商品製造の許可
〇 普通自動車二種免許
〇 美容師免許
〇 調理師免許
のような個人の資格など様々な種類があります。
すべてを紹介するととても多くなってしまいますので、代表的な法律、規格をメインに商品の製造許可、必須試験に関して紹介します。
代表的な法律、規格に関して
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
薬機法や旧薬事法という言葉を聞いたことがありますか?
医療機器、医薬品、健康器具などの販売を検討されたことがある方は耳にしたことがあると思います。
薬機法(旧薬事法)とは、正式名称を「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」といいます。
この法律は、名前の通り、医薬品、医療機器等の品質と有効性や安全性の確保や製造・表示・販売・流通・広告などについて細かく定めた法律です。
詳しくは、以下のリンクに概要が書いてありますのでご覧ください。
ここから一部抜粋して、試験に関する内容を商品カテゴリーごとに注意点を説明していきます!
医療機器
輸入に関するブログでも紹介した「医療機器」。
輸入販売するためには製造業、製造販売業の許可を得る必要がありますが、それだけではまだ販売できません!
詳しくは下のおすすめ記事を読んでいただきたいのですが、医薬品や医療機器は商品ごとに問題がないことを検査する必要があります。
その検査内容は商品に該当するJIS規格で定められており、その定められた試験すべてに合格する必要があります。
試験の具体例を出すと電気式マッサージ器の試験の一つで「決められた条件下でもみ玉部分に使用されている生地の耐久性を確認すること」という試験があります。
この試験は2750回分の使用と同じ時間だけ検査を行う必要があります。(10分タイマーの商品なら27500分≒458時間)
このような大変な試験に合格した商品のみ日本では販売を許されているんです!
電気用品安全法
電気用品安全法とは、電気用品による危険、障害の発生の防止を目的とする法律です。
約460品目の電気用品が対象として指定されており、電気用品を製造・販売する場合、この電気用品安全法に基づいて、安全性に関する技術基準に適合しているかどうかを確認する義務があります。
こちらの概要については以下の記事でご紹介させていただいております。今回は試験、検査にフォーカスして紹介します。
特定電気用品(116品目)
特定電気用品(ひし形PSEマーク)の商品は、該当する試験を認定検査機関にて合格しているということを明示しなければなりません。
そのため、PSEは生産開始前までに試験に合格し、ひし形PSEマーク、検査機関を商品ラベルなどに印刷する必要があります。
もし、認定されていない検査機関で同じ試験をしたとしても合格になりませんので、注意が必要です!
試験だけではなく、事業届出など事前に提出する書類もあります。
この事業届出は事業開始(輸入開始)から30日以内に提出する必要があります。
ひし形PSEは危険性が高い分、検査や届け出など多くの対応を求められますので、しっかり確認をしてから輸入をしましょう!
特定電気用品以外の電気用品(341品目)
特定電気用品以外の電気用品(丸形PSE)の商品はひし形PSEと異なり、該当の試験を自主的に行うことでマークを付けることができます。
ただし自主的に行う分、試験項目や基準が適切かどうかチェックが必要です。
特に中国の工場などでは、言葉の壁や経験不足が原因で、十分な試験が行われないケースもありますので、注意が必要です。
この自主検査に合格すれば、ラベルに丸形PSEマークを付けることができますが、ラベルに記載する最低限の内容は決められていますので、しっかり規格と確認しましょう!
電波法
「電波法」とは、テレビや携帯電話、アマチュア無線などさまざま場面で利用されている電波の公平かつ能率的な利用を確保するための法律で、無線局の開設や秘密の保護などについての取り決めが規定されている法律です。
こう聞くとテレビ局や携帯会社がかかわっている法律で中国からの輸入には関係ないのでは?と思ってしまいますよね?
実はこの電波法ですが、身近な商品にも大きくかかわってくる法律なんです!
Bluetooth搭載製品
実はBluetooth搭載製品は電波法の対象なんです。
この電波法ではBluetooth搭載製品を日本で使用する際には技術基準適合証明(通称:技適)というものが必要と定められています。
しかも、この技適は製造メーカーが取得するのが大前提となっており、かつ総務大臣の登録を受けた登録証明機関のみでしかできません。
経験のあるメーカーでないと新たにBluetooth搭載製品を作ることは非常に難しいのです。。。
食品衛生法
食品衛生法とは、『日本で国民が安全に飲食できるように、必要な規制や措置を決めて、飲食によって起こり得る危害を防止しましょう』という法律です。
この法律で規制の対象となる食品は、医薬品・医薬部外品を除くすべての飲食物とされています。
飲食物だけではなく、食品が触れる食器や調理器具に関してはもちろん、赤ちゃんが口に入れる可能性のあるおもちゃに関しても規定されています。
食器・調理器具など
食品衛生法では、対象となる器具をこのように規定しています。
「食品衛生法とは、「日本で国民が安全に飲食できるように、必要な規制や措置を決めて、飲食によって起こり得る危害を防止しましょう」という法律です。
この法律で規制の対象となる食品は、医薬品・医薬部外品を除くすべての飲食物とされています。」(食品衛生法 第4条第4項抜粋)
難しい文章ですが、食品に接触するものは基本的に該当であると覚えておいて大きな間違いはありません。
ですので、歯ブラシなどは対象外となります。
輸入するにあたって、
届出書の提出
商品の種類、色、使い方などの製造者が作成した製品仕様を確認できる書類
自主検査記録(該当商品の場合)
などたくさんの書類を用意し、検疫所で最終確認をしてもらう必要があります。
特に該当する商品の場合、自主検査記録がないといけませんが、日本で実施する場合でも外国で実施する場合でも厚生労働省に認可されている機関でないと認められませんので、注意が必要です!
おもちゃ
食品衛生法で規制されるおもちゃとは「乳幼児が接触することによりその健康を損なうおそれがあるものとして厚生労働大臣の指定するおもちゃ」であり、食品、添加物、器具容器包装の規定を準用することと定められています。
おもちゃの種類や原材料の違いにより定められている規格検査(重金属、鉛、カドミウム、ヒ素、亜鉛、フタル酸エステル類、過マンガン酸カリウム消費量など)の他、おもちゃの製造基準に定められた着色料の溶出検査が必要になります。
すべてのおもちゃが対象とはなっていませんが、乳幼児の口に入る可能性があるものが対象ですので、検査は非常に厳しく規定されています。
おもちゃも食器などと同じように認定機関や検疫所に持ち込み検査を実施する必要があります。
原材料などは把握できておらず開示が難しい場合や、仕入れ先の関係から対応が難しい場合などがありますので、事前にしっかり確認してから取引をするように注意しましょう!
まとめ
いかがだったでしょうか?
身の回りにある商品の多くが試験や届け出、許可などが必要なんですね。
今回はほんの一部だけ紹介しましたが、まだまだ多くの法規、規格はありますので、十分に注意して輸入をしましょう!
やはり中国輸入は難しいのかな。。。と不安に思われている方!
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高橋 翼
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